幼稚園から絵画教室に通い、
子供の頃から体育・図画工作が得意の少年は、
迷うことなく、美大への道を進みました。
受験のため通った研究所(美大受験の予備校)で、
デッサンに明け暮れる毎日。
キャンバスに向き合う時間が長すぎたのか、
四角いキャンバスのコーナー(角)が気になりだし、
だんだんと平面での表現から興味が薄れていきます。
大学では、陶芸を専攻。
時あたかも、
走泥社の黄金期。
陶芸と工芸の垣根を越えた「器ではない」「焼いて創作」する作品が、
美術界で脚光を浴びていました。
伝統工芸ではなく、器からオブジェへ、
美術館からデパートへ展開の場を広げる現代アート。
学生時代は、
走泥社でも活躍中の
山田光氏に師事しました。
一方で、代々、
仁清・乾山の写しを手掛けている窯元の手伝いをし、
日本陶芸の源流とも言える「茶陶」の世界にも触れました。
卒業後、高校の美術教師となったものの、創作の気持ち捨てがたく、
長い伝統のある西日本でなく、
自由な気風のやきものの産地笠間に移り住みます。
窯元で1年勉強後、
作家たちがディスカッションして創作する
造形集団
” G.FORMATION ”に1年、
その後、独立しました。
2011年は、特にご活躍の年でした。
日本陶芸展 入選
いばらきデザインセレクション 入選
公募展出品作品 ( 中島健蔵 )と、
食器 ( 陶工房「雲」クラウド )では、かなり作風が違いますが、
いずれも、創作のキーワードは
「生命力」
伝統的価値観で判断される作品を創るのではなく、
同時代に生きているからこその価値観を踏まえた作品。
鉄・呉須の絵の具しかなかった、
いにしえの時代にはできなかった色彩表現・技法。
絵の具に化粧土を混ぜて、下絵(釉薬の下に描く絵)にすることにより、
電子レンジも安心して使える。
陶器と磁器の間の素材
「半磁器」にすることで、
土味も残しながら、軽くて丈夫になる。
自分の美を表現しながら、世の中の役にたてれば
明確ではなくとも、メッセージも伝われば
使う人の暮らしに、やわらかな空気を注ぎこめたら
食卓が和やかになれば
心が吸い込まれていくような「楽園」を作り出せたら
「 飽きてしまうような仕事はしたくない 」
ご本人が楽しんで創るから、見る側にも、それが伝わります。
「 自分が見たことのないものを生み出せたら、こんな幸せはない 」
中島さんの生み出す世界、この先どこまで行くのかワクワクします。
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