昨晩は満月、しかも一年中で一番大きく見える月が出ました。
また、昨日は旧暦で、釈迦入滅の日。
涅槃図で、釈迦の回りにある沙羅双樹の木は、
半ば枯れ、半ば花をつけているそうです。
「死して花を残す」の意味でしょうか?
天に召された尊い命から託された花、
咲かせ続けるのは残されたものの務めかもしれません。
2日続けて、笠間市内を歩きました。
原発事情により、福島から笠間に避難してきた方がいると聞き、
避難所に直接行きましたが、取りあえずのボランティア登録
しかできませんでした。
「六古窯展」最後の一週間の会期を残しながら休館になった
陶芸美術館に、手伝いを申し出ましたが叶わず。
大谷石倉庫は、1963年米蔵として造られました。
12年前、地元陶芸家などにより、試みや楽しみを企画・現実化すべく
「大谷石倉庫改造プロジェクト」スタート。
今回外壁の大谷石が崩れ、再建断念したという建物の入口に、
トタンに書かれた決意表明・賛同した方の連名が残っていました。
ギャラリー花香町とともに人気だった、そば粉クレープの
sovasovaさんも2年を待たずに閉じられてしまいます。
大好きな
茶寮蔵人は、造り酒屋笹目宗兵衛商店の
大屋根の瓦が崩れ落ち、再開未定。
アンティーク家具の
Little Cuのご主人は
「被害は大きいけど、ついでに片付いたし模様替えもできてよかった」と、
自称「超楽観主義」の発言。
一番元気でいい笑顔を見せてくれたのは、
千代田ベーカリーのご主人でした。
揺れた時は、パンの焼き上がり5分前。
翌日には、そのパンを市内の病院に配達したそうです。
東京大空襲で、母親の実家笠間に一家で移り住み、
パン屋を始めた父親の後を受け継いだとのこと。
匁とグラムが並べて表記されている天秤量り・パンの発酵に使う木桶は、
2代にわたって使われています。
ギャラリーロードに移転して23年、元旦以外は仕事。
被害は、パンを並べるショーウィンドウが一部割れただけ。
食パンの焼き上がる4時過ぎには、近所の常連さんが買いに来ました。
68歳の溌剌とした笑顔は、とてもチャーミングでした。
彼岸入りしましたが、笠間の墓石倒壊などの被害も多いようです。
危険でお墓に近付かせてもらえず、
お寺の前に花を置いてきた話も聞きました。
昨晩9時前、震度5弱という強めの余震がありました。
ちょうど満月撮影をしていて、地面からの揺れを体感しました。
断水はちょうど一週間後に解消して、ライフラインは確保されました。
原発問題・余震は続いていることから、
ギャラリー舞台は、もう暫く休ませていただきます。
安心して過ごせる日が、一日も早く戻るよう祈っています。